私的なブログ

<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

<< ヤビツ峠 | TOP | 追悼文 >>

2009.07.22 Wednesday

日食

風呂場の掃除用のスポンジを買うために、雑貨屋の前で自転車を止めた時に携帯が鳴った。安曇野に行っているカミさんからだった。こっちでは雲が切れて日食が見れているけど、そっちはどう?という内容だった。東京都町田はといえば、雲が空全体を厚く覆い、どこに太陽があるのかも分からない天気だった。カミさんが話す後ろからも「ホラホラ欠けてきたわよ」とか大きな声がしていた。

残念ながら、日食は見れなかったけど、日食には思い出がある。断っておくけど、長い上にかなりつまらない話だからね。

僕は高三の選択授業で天文を取っていた。さしたる理由はない。星のロマンチックな話を聞きながら、単位をかすめ取るのも悪くないと思った程度だ。しかし実際の授業は計算だらけで、ついていきようが無く、全くお話しにならなかった。先生とは仲が良かったので、まぁ授業さえ出ていれば単位は貰えるだろうと、更に悪い計算をしていた。
その授業の中で、次回の日本で見れる日食の予定日に話題が及んだ。何とその日は、その当時付き合っていた彼女の誕生日だった。8年先だったが、その当時の感触としては遠い未来の話だった。

何日か後になって、彼女と喫茶店にいる時にその事を話していみた。
「次に日本で日食が観測出来るのは8年後の君の誕生日なんだよ」
彼女は「フーン」と言い、明らかに退屈そうにコーヒーカップを眺めていた。彼女は日食なんて、全く興味が無かったのだろう。一体彼女は何に興味があったのだろう?きっと僕は自分の興味のある事ばかりを喋っていたに違いない。
僕は思い切って訊ねてみた。
「その頃僕たちはどうなってるのかなぁ?」
冗談でもいいからロマンチックな答えが聞きたい下心が顔に出ていたに違いない。
「そうねぇ。結婚してもう子供もいたりして」
なんて。

彼女はコーヒーカップを眺めていた時とは、明らかに違う強い視線で僕を見据えて言った。
「そんな事分かるわけないじゃない」。

その日食の予定日も遙かに超えた時間が流れてしまいました。期待通り日食が見れた人、おめでとう。見れなかった人。残念でした。彼女は今日の日食を見れたのかなぁ?
だから言ったでしょ。つまんない話だって。


22:03 | 日記 | comments(0) | - | - | - |

コメント

コメントする









▲top