私的なブログ

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2016.01.20 Wednesday

一之輔・雀々・昇太

昨日は横浜関内へ「プライム落語」を見に行ってきました。
出演は春風亭一之輔、桂雀々・春風亭昇太。
面白い組み合わせだと思いました。

開口一番の後は一之輔が登場。
若手の中では評価も人気も高い人。生で見るのは初めてでした。
まず声が良いですよね。カリっとした良く通る声です。
何かちょっと捻くれている感じの、でもどっかお洒落な感じの語り口だと思います。
特に生意気な子供とかの口調は凄くはまる感じがしました。

2番目は桂雀々。
やはり圧倒的に上方の芸なのだと思います。
底の方から根こそぎさらっていく感じです。
十八番とも言える「代書屋」。
このネタ、生で見るのは2回目なのですが、何一つ退屈する事はありませんでした。
「松本留三郎」
素晴らしいキャラクターです。

そして昇太。
もう何回見ているのでしょうか。
貫禄とかいうような厳ついものではないのですが存在感あります。
いや、その存在感というものも超えた、飄々とした存在感の無さなのかもしれません。
古典をやっているのに、まるで古典をやっているように聞こえない。
これって凄い事かもしれません。

やはり多くの人がやってきている、シンプルな物語の古典。
シンプルだからこそ色々なアレンジが出来る。
ストーリーも分かっているのに楽しめる。
結局その咄家の人柄が出てくるということなのでしょう。

まったくもって音楽に通じますよね。
特にブルースとかに。

配信サイトにアップした曲。明日AM11:00より試聴&DL開始です。
http://www.itadaki.ne.jp/

狩野良昭ライヴ
1月26日(火) 吉祥寺 GB
http://www.rock-gb.com/new/index.html
詳細は後日お知らせ

22:44 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2015.11.11 Wednesday

久し振りの落語@横浜にぎわい座



春風亭昇太と桂雀三郎の2人会。
昇太を見るのは三回目くらいでしょうか。
兎に角「飄々としていて春の風のように軽い」。春風亭という名を本当に体現しているような気がしました。
まくらで良く使われる、「いつになったら結婚するのか?」というネタにしても、深読みすれば所帯を持って芸が自分の意図しないところで重くなってしまうのが嫌なのかもしれません。
そう考えれば人生を芸に捧げている、とてもストイックな人なのかもしれません。
でも高座においては、そんな事は微塵も感じさせません。
「軽いなぁ〜、浮草だなぁ〜」
凄いですよね。

もう一人の雀三郎。
師匠は桂枝雀で弟弟子にあたる桂雀々は見た事がありますが、雀三郎は初めて。
一席目は師匠の十八番だった「代書屋」。やはり「松本留三郎」という人物は愛すべき人物に描くのは師匠譲りなのかもしれません。

2人の話を二席ずつ聞いて思うのは、やはり西と東の話芸のスピードやリズム、テンポ感の違いです。
早口かゆっくり喋るというような事ではなく・・・これは言葉で説明するのが凄く難しいそうなのですが、音楽で言えば、リタルダンドやアッチェラ、クレッシェンドやデクレッシェンドのカーブの違いなのかもしれません。

もっと砕いた言葉で言えば「たたみかけ方」や「はずし方」なのかもしれません。
兎に角「違うなぁ〜」という事だけは強く感じました。

桂雀々を見たのも、立川志らくとの二人会でした。噺家同士でもきっとお互いに自分にない物を感じるのでしょうね。
西と東の違い、面白いですね。

12月末には立川志の輔を見る予定です。
出演者の名前の中に、「寒空はだか」の名前が。4年前くらい前に立川左談治の独演会で見た事があります。
テレビでは出来ないようなギリギリの感じを、行ったり来たりする感じでかなり良いんですよね。

久し振り楽しみです。

明日は狩野氏のリハーサル。

11月14日 (SAT)吉祥寺曼荼羅
『 SOUL SONGS 』

http://mandala-1.wix.com/mandala
【出演】狩野良昭 / 高柳周治 / 大元さむ
【開場/開演】18:30 / STRAT 19:00
【Ticket】
¥2800(前売り予約¥2500)+1 DRINK ORDER
大学生&専門学生 ¥1600+1 DRINK

 

22:31 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2012.01.14 Saturday

桂米團治独演会

 上方落語の第一人者、桂米團治の高座を銀座ブロッサムにて見てきました。

サブタイトルは「米團治の”地獄と極楽”」。開口一番の後の一席目は「地獄八景亡者戯」。鯖に当って死んだ主人公が、あの世で珍道中を繰り広げるという内容の大ネタです。

まず語り方が上手い。言葉がとてもハッキリしているし、東京という場所を意識してだと思いますが、関西弁のクセも押さえ気味にしてたように思えました。
初めてみる落語家で、初めての噺を聞く時には、この基本的な部分はとても大事に思えます。

あの世を旅する話ですから、当然今までに亡くなった方が大勢出てきます。やはりというか当然というか、立川談志師匠も出てこられて、三途の川の先にある寄席への出演をドタキャンしていました。その理由は楽屋入りしたら、五代目柳家小さん師匠と鉢合わせしてしまって大喧嘩になってしまったとの事。落語ならではの良い話だなぁ。
一時間を超す珍道中、長さを感じさせない力は見事なものでした。

中入り後の2席目は「茶漬間男」という少し艶っぽい噺をサラリと。

桂雀々の高座を見た時も思ったのですが、畳み掛けていく時の上方落語のパワーは凄い物があります。鍋が「これでもかぁ!」ってくらい沸騰しているような感じです。ドロドログツグツ。
アクションもリアクションも大きく、「なんでやぁ!」「そんなアホなぁ」「ちゃいまんねん!」「ドツイたろかぁ」等々。

でもそれが単なるフェイクで突出しないのは、先に書いたような基本的な部分が盤石だからなのでしょう。今まで見た中において、噺の景色が無理なく想像出来る数少ない落語家の一人でした。

ご存知の方も多いでしょうが、米團治は人間国宝桂米朝の長男。まくらの部分で本人も語っていましたが、あまりにも大きな存在の父親を持つというのは、それはそれで大変なのでしょう。
ましては同じ落語という道に進んだら比較されてしまうのは当然の事。「地獄八景亡者戯」もその米朝が十八番にしていた噺。そこに敢然と向かっている姿はとても好感が持てました。

さてその独演会。たっぷり2時間楽しませてもらって3,300円。お金をもらって何かを見せるという意味では同じ立場。身の引き締まる思いがします。

14:38 | 落語&舞台 | comments(1) | - | - | - |
2011.12.17 Saturday

6人の二つ目

 青山草月ホールにて「rakugo オルタナティブ vol.9 6人の二つ目」を見てまいりました。
出演者は以下の通り。

柳家小太郎
立川志らら
古今亭菊六
<中入り>
柳家わさび
三遊亭きつつき
三遊亭天どん

落語界の序列としては、自分で会を開けるのは二つ目から。今回の6人は二つ目に昇進してから5年から10年。まったく新人ではないわけで、そろそろ真打ちという事も意識し始める頃なのかもしれません。
それぞれに個性があり面白かったです。

さてと。自分もまず目指すは二つ目だなぁ。明日歌ってきます。

19:50 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2011.11.24 Thursday

追悼談志師匠

 立川談志師匠が亡くなりました。

やはり生の高座を見れなかったのが残念でなりません。昨年の秋の独演会はチケットが取れたのですが、体調不良のため中止。今年7月の立川キウイ真打昇進の会に、出てくるかも・・・という期待もあったのですがやはり出てきませんでした。

左談次、志の輔、談春、志らく、キウイといった談志師匠の育てた弟子の高座を見る度に、個性的な落語家を育てた談志師匠の懐の深さというものを感じていました。

以前WOWOWで放送された談志とその弟子たちを特集した番組の中で、談志の弟子、孫弟子の二つ目が集まって会を開き、ゲストに師匠を呼んだ場面がありました。
楽屋でモニターから流れる弟子たちの落語を聞きながら身支度を整えている時の表情が、70歳を超えてもまるで腕白小僧のような表情でした。
何か楽しくて楽しくてワクワクしてしょうがない、そんな様子で、談志師匠が本当に落語が好きだという事が伝わってくるシーンでした。

そういう情熱が弟子にも伝わっていったのだと思います。

75歳での旅立ちは早いと思います。「老い」と格闘しながら落語をする姿を見たかった。残念です。
ご冥福をお祈りします。


20:49 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2011.11.17 Thursday

笑福亭鶴瓶落語会

昨夜新宿の紀伊国屋サザンシアターで見てきた笑福亭鶴瓶落語会、僕にとっては残念ながら少し物足りない内容でした。

独演会で良くある前座はなく、いきなり鶴瓶が洋服で出てきてのトークが始まりました。色々な内容がありそれぞれに面白いのですが、基本線が鶴瓶が出ているテレビの内容から派生している話なので、あまりテレビを見ない自分としては今ひとつピンとこない部分がありました。

1時間弱ほどのトークの後に、着物に着替えて鶴瓶なりにアレンジした古典落語を二席やりました。
辛辣に言えば落語会というタイトルにも関らず、そちらの姿の方が借り着っぽく見えてしまいました。
落語に向かう姿勢も真摯だし、噺も上手いんだと思います。でも僕の中では、大変失礼かとは思いますが、バラエティの人が落語をやっているという感じがしてしまいました。
そのようなスタイルがあっても良いのだと思います。
結構笑っていましたし、分かり易さも、キチンとした質もありました、ただ何か強い印象が残らなかった、もう一回見に行きますか?と言われたら「?」という気持ちです。
 
「とにかく分かり辛く、楽しかったとは言い辛いけど強い印象を残した」と書いたのが4日前の唐ゼミのテント公演「海の牙ー黒髪海峡編」でした。
でも何かが気になっていて、前回のブログを書いた後にwebで調べてみました。
色々な論評などを読むと、「海の牙ー黒髪海峡編」は唐十郎の作品の中でも特に分かり辛く、特異な内容だという事が分かりました。そうだろうなぁ。
でも調べていくうちに、現場では繋がらなかった部分が繋がって、分かり辛さの後ろに隠れていたものが少し見えてきて、いずれ機会があったらもう一度見てみたいと思いました。
印象に残る=術中にはまるというのは、こういう事を言うのかもしれません。

二つの演目(唐ゼミと鶴瓶)を見て、改めて人に印象を残すという事の難しさを感じます。グルッと軸を回転させれば、それは自分にとってのテーマ、このブログでも良く使う「自分らしさ」というものでもあるからです。


21:21 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2011.11.14 Monday

劇団唐ゼミ 横浜公演

唐十郎という人に興味を持ったきっかけは、大分前にNHKで放送された「土曜インタビュー」という番組でした。とても面白かったんですね。このブログの中でもその時の言葉を引用したりしています。その時から一度は唐十郎が書いた芝居が見たいと思っていたら、横浜で大唐十郎展というイベントが開かれ、その中で劇団唐ゼミのテント公演があるのを知りました。昨日見てまいりました。

劇団唐ゼミとは、横浜国大の教授だった唐十郎のゼミを基に発足した劇団だそうです。主にテント公演で唐十郎作品を上演しています。今回の演目は70年代に状況劇場で上演されていた「海の牙ー黒髪海峡篇」。

会場は横浜臨港パーク内に設置された特設テント。
怪しい、もしくは妖しい如何わしさがあります。悪だくみをするアジトのようでもあるし、インチキ見世物小屋のような感じ。

青テント



振り向けばみなとみらいはこんな感じ。あまりに対照的。

みなとみらい


「海の牙ー黒髪海峡篇」は途中休憩を挟んで2時間半近くある大作。

ほとんどストーリーが分かりませんでした。

でも何となく断片的に気分は分かるような気がしました。
人の心の中にある情念とか欲望、猜疑心や差別心、そして淫靡な妄想、要はあまり日の当たる処では見せられないものを、まとめて鍋に放り込んでグツグツ煮て見世物小屋の中にブチまけると、ああなるのかなぁなんて思いました。
人の心にある言葉で説明出来ないものを描こうとしているのだから、言葉的なアプローチで理解しようというのは無理なのかもしれません。「変でした」で良いのかもしれません。

楽しかったのか?

イヤイヤ尻は痛くなるし、舞台が近かったので首も痛くなるし、まるで苦行のような2時間半。うーん楽しかったよ−ワーイ、とは言えない(笑)。
高校時代に初めて安部公房を読んだ時や、フェリー二の映画を見た時のような感じ。
「苦しくて全然分からんけど、何か変」。強く印象に残ったのは間違いのない事実。

私たちの見えているものの何処までが現実でどこからが虚構なのか?最後に舞台の後ろが明き、主人公二人が外に飛び出し。階段に登っていくと、後ろにはベイブリッジが。あのベイブリッジは現実なのか?虚構なのか?
ラストシーン、首も尻も痛かったですけどカッコ良いなぁと感じました。

こういった作品を70年代に新宿でやっていた時代を想像すれば、そこに行く高校生とかは「不良」と呼ばれて、学校では生活指導の先生が「絶対そんなトコ行っちゃイケマセン!」と目を吊り上げて言ってたように思います。
一番最初に記した「土曜インタビュー」の中で、70年代のテント公演を振り返って「善男善女を拐かしてテントに連れ込んじゃおうっていう悪意がありましたね(笑)。この物語は更に続いて君たちの夢に出てくるぞ、とかね(笑)」と語っておられました。

終演後、その唐氏も舞台で挨拶しましたが、思っていたより小柄な人。でも手強い。
その証拠に今日もやや尻痛。

旗!


21:12 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2011.10.16 Sunday

昼間は志らく、夜が談春

 立川流の若手看板ともいえる二人の高座を、青山と横浜桜木町で続けて見て来ました。談春のチケットは前々から押さえてあったのですが、友達の伝手で急遽志らくのチケットも入手出来たので、「そりゃ、両方行くっしょー」って東京と神奈川を股にかけて、7席の落語を楽しんできました。Wさんありがとね!

志らくと談春。年齢は少しだけ志らくが上。でも入門は談春が少し先。しかし真打昇進は志らくが少しだけ先。ややこしい。
簡単に言えば「ライバル」でしょう。どう見たって。細かい事情はまったく知りません、楽屋ネタ的なものも知りません。でもこれだけ条件が揃っていて、相手を意識しない訳はないでしょ?

そんな目で見ていた訳ではありませんが、2人の高座から伝わってきた、「自分なりの落語を見せる」という気迫は、そこいら辺の経緯も関係しているかもしれません。
細かい芸風は語れませんが、談志落語のイリュージョンは自分が引き継ぐ、と宣言している志らくは攻撃的、談春はオーソドックスに太くという正統派を目指しているように感じました。なんか談春は小三治師匠を意識しているように思えたんですよね。

そして2人のまくらの中で、偶然でしょうが「志の輔」という名前が上がったのが興味深かったです。やはり2人にとっても、気になる存在なんでしょうね。
志の輔は家元以外での立川流最大のビッグネームですが、同時に立川流の中の異端児でもあるように思えますものね。
以前にも書きましたが、それぞれがお互いを意識しながら「自分らしさ」というものを真剣に追求しているのだと思います。
ミュージシャンも同じか・・・(笑)。

そして志らくの会は、上方落語の桂雀々との二人会。初めて生で見た上方落語。桂雀々面白い!

一括りには出来ないでしょうが、やはり違う!なんかエネルギッシュ!かき回す!煽る!
ちょっとクールな感じのある志らくとのコラボレーションは、凄くハマっている気がしました。相乗効果あり!

来月はその上方落語のビッグネーム、笑福亭鶴瓶の高座なのですね。また何か目からうろこが落ちそうですね。

談春独演会演目

14:53 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2011.08.29 Monday

「立川左談次独演会」@内幸町ホール

 以前、立川流を特集した番組にチラッと出ていて、とても気になった人。

番組の中で、先日真打に昇進した、立川キウイを説教していたのですが、辛口なんだけど、何か乾いている。そしてその後ろには何か優しさみたいなものがある。そんな風に感じました。

そして7月の「立川キウイ真打昇進の会」。客演の志の輔、春風亭昇太の後に出てきた左談次。落語はやりませんでしたが、やはり辛口で乾いた喋りでした。
口上の席で、志の輔が「左談次師匠は、何せ働くのが嫌いでして・・・」とボヤクと、「やかましいぃ!余計な事を言うんじゃない!」と一喝していました。

そして2年振り(もしくは3年振り)という独演会。飄々とした風が吹いていました。軽い、とても軽い。この場合の「軽い」は良い意味ですよ。根無し草とでも言うのか・・・何て言ったらいいのか。
何の気負いもなく始まり、「もう、こんなもんで良いでしょ」って終わっていった感じ。

左談次師匠は怒るかもしれませんが、競馬評論家の井崎脩五郎さんを思い浮かべてしまうんですよね。ちょっと風貌も似ていますしね。
僕は競馬はやらないんですが、井崎さんのキャラクターは好きでした。突拍子もない予想をしておいて外れても、「そうだよなぁ、やっぱリ来ないよなぁ、ははは・・・」みたいな事言っててもまったく嫌味がない。「競馬なんですからぁ、そんな目くじら立てないで下さいよ。はhhh・・」って、あの感じ。

「落語なんですから。ねぇ、別に世の中の役に立つわけじゃないんですから」。」

終わってホールを出ると、秋を感じる風が吹いていました。軽い。左談次師匠っぽかったです。
客演の寒空はだか。これまた素晴らしい。浅草東洋館行ってみたくなりました。

23:40 | 落語&舞台 | comments(0) | - | - | - |
2011.07.21 Thursday

近況2~ライヴ告知

 続けて二つの舞台を見てきました。
一つは17日、大手町日経ホールでの、イッセー尾形の一人芝居「わたしの大手町」。
二つ目は19日、中野ZEROホールでの、「立川キウイ 真打昇進の会」です。

イッセー尾形は三回目になりますが、今回は新作ではなく、今までの何と600以上あるネタの中から選りすぐったもの。
どれも面白かったですが、二つ目の、引越し業者のアルバイトの話が特に面白かった。
そのアルバイトの若者は、金髪で野球帽を前後反対にかぶり、口のきき方も全然なってないような奴。夜中の2時の指定で、引越し現場に行くと、母親と子供が一人。しかも荷物は布団が一組だけ。
奥の薄暗い部屋に置かれた、その布団をチラッと見ると母親が、「あの中に旦那が入っているの」というような事を言いだします。
旦那さん、随分小さいんですね、みたいな事を言うと、「二つに折ったのよ」というような事を言います。
何処へ運べば良いんですか?と恐る恐る尋ねると、「山の方」と答えます。
責任感も正義感も無いような若者が、サスペンス調の物語に巻き込まれていく様子が、実に面白い。そして物語では語られなかった背景などを、こちら側が勝手に想像出来てしまうような、底知れない奥深さがありました。

以前、イッセー尾形を見に行った時に、このブログで「落語に近いものを感じた」というような事を書きました。
人の弱さや虚栄心、もっと言ってしまえば、みっともなさ、を描いているという意味では、共通点があると思っています。
でも今回手法として気がついた決定的な違いは、イッセー尾形は一つの話の中で二役はやらないのですね。相手はいるわけですが、相手の台詞は自分が反芻するような形か、相手の台詞を連想させるような、自分の台詞やリアクションで見ている側に伝えるわけです。
故に物語が終始個人的な視点からのみ語られるわけです。
落語だと、お馴染みの「熊さん、ご隠居さん」のように複数の登場人物を、一人の噺家が演じます。ですので一つの事象に対しても、複数の視点があり、それがどこか物語を俯瞰して見ているような感じがするわけです。
これは表現方法としては、大きな違いだなぁ、と今更ながらに感じ入ってしまいました。

「立川キウイ 真打昇進の会」は、まことに立川キウイくんには申し訳ないのですが、家元、立川談志を見るのが目的でした。昨年、独演会のチケットが取れていたのに、体調不良のために中止になってしまって、今回は流石に出てくるだろう、と思ったのですが・・・。
出てきませんでした。助演で出ていた志の輔によると、電話がかかってきて、「どうも体が定まんねぇや。ダメだ」と大変元気そうに仰っていたとの事でした。
またキウイくんによれば、やはり電話をして「師匠、是非来てください」とお願いしたら、「何処だ」「中野です」「遠ーい」で終わったそうです。

その昇進会、前座の後にいきなり志の輔が出てきて、次に春風亭昇太が出てくるという豪華なもの。そして口上を挟んで、キウイくんの兄弟子でもある、立川左談次。
そして真打になった立川キウイ。前に出ていた人たちが、あまりに凄かったので、キウイくんも相当なプレッシャーがあったのでしょう。大汗かきながら、自分なりに古典落語の二つをミックスした創作落語を必死にやっていました。その意気や良しとしましょう!
中身については僕は落語に精通しているわけではないので、分かりませんが「何かやるぞ!」というエネルギーは伝わってきました。
客席も、「何かやろうとしてんだから、暖かく見守ってやっか」という雰囲気に満ちていて、それはそれで気持ちの良いものでした。

その雰囲気も、家元談志の人格が作り出しているものなのかもしれません。先日、横浜にぎわい座の寄席で、誰かが言っていたのですが、談志が出てくる時の、客席からの掛け声に「ちゃんとやって!」というのがあるそうです。何か懐の大きさを感じませんか?引き受けているものが深いような感じがするんですよね。
ちなみに掛け声って普通、「待ってました!」とか、いわゆる褒め言葉ですよねぇ。「ちゃんとやって」というのは・・・・。やはり生の談志を見てみたくなります。ちゃんとしてなくても。

舞台を見ていて、「自分らしさ」という事を考えます。イッセー尾形にしても、志の輔にしても、キウイくんにしても、「自分らしさ」というもののと格闘しているように思えます。
もう少し言えば、「自分らしい表現」という事になるのかもしれません。
唐十郎が以前言っていました。「人というのは、何かを表現(表出)しないと、どんどん窒息状態になっていく。そして表現したものに自分らしさを見つけたりすると、ちょっと安心したりするのです」。
僕にとっての「自分らしさとは?」「自分らしい表現とは?」・・・難問だなぁ。でも、探しています。

取り留めのない文章の後で申し訳ないのですが、ライヴ告知です。
3月11日に地震のため中止になった、白浜久さんのライヴ。8月6日に開催されます。
色々な思いがあります。でも、その思いを超えた「白浜さんらしい」素敵なライヴになると思います。詳細アップしますので、是非お集まり下さい!


H.Shirahama project Live 2011『四半世紀決済!』

8月6日(土) open18:00 start18:30
LIVE GATE TOKYO@EBISU  
チケット料金¥4000
出演:白浜 久、田中一郎、斉藤光浩、榎本 高、西川貴博
前売り券:店頭、ローソン・チケットにて、発売中!
(問)LIVE GATE TOKYO@EBISU 03-3400-9001


21:37 | 落語&舞台 | comments(2) | - | - | - |

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